前立腺炎とは
膀胱と尿管の間にあり、膀胱の出口をドーナツ状に取り巻く男性特有の臓器です。精子を健康に保つための分泌物を出すのが前立腺です。前立腺炎はこの臓器が炎症を起こしたものです。以下の項目に思い当たったらご注意ください。
- 残尿感がある
- 何回もトイレに行く(頻尿)
- 痛みや不快感を感じる
- 排尿中尿の痛み
- 焼けるような熱さ
- 精液に血が混じる
ほかにも気になる症状があればすぐにご来院ください。尿検査や前立腺の触診、前立腺液の詳細な検査でわかる病気です。
前立腺の病気には炎症のほか、肥大症、ガンなどがあります。いずれも、専用問診と超音波検査や尿流検査(おしっこの勢いを測る)を経て、その症状を見極め、治療方針を決めていきます。
血液検査で「PSA」数値の上昇が確認された方へ
※前立腺特異抗原=PSAと言います。
PSA数値が前立腺がんで上昇する理由
前立腺特異抗原(PSA)は、通常、前立腺にしか存在しない物質です。そのため前立腺が正常ならば血液中に漏れ出てくることはありません。しかし、前立腺に何らかの問題があり、腫れたり肥大したりすると、血管を破り血液中に漏れだし、この数値が上昇します。この血管が破れるほどもろくなっている原因がガンであることが多く、この数値が前立腺がんの目安になっています。
前立腺がん以外でもPSA値が上昇する場合もある
1前立腺が良性であっても、体積が異常に大きい場合(巨大な前立腺肥大)
2排尿障害のために、前立腺部に炎症が起きている場合(炎症部からの出血)
以上をガンと区別する必要があります。そのため、尿を顕微鏡で見ることや、残尿検査が必要になります。
PSAキットについて
日本では、このPSAを測定するキットは、多くの会社から20種ほどが販売されています。
いわゆるスクリーニング用として、健診や医院でよく使われる性質のものの他に、私たち泌尿器科の専門医が、二次検診として、確定診断に使用するものとがあります。スクリーニングは、多くの方に使用し、病気の入り口で気が付いて頂くためのものでもあります。比較的安価で測定幅が広く、言わば白か黒かといった大きな枠組みのものが多く使われます。しかし、私たち泌尿器科専門医が二次検診で使用するタイプのものは、測定幅はより精密で、詳細に反応します。当院で使用されるキットは、タンデムキット(EIA法)と呼ばれるもので、世界で一番のシェアを持つ信頼性の高い専門医の用いるキットです。
前立腺にも個人差があります
検査の結果、気になる数値がでれば、心配したりお悩みになるのはごく自然なことです。とはいえ検査も数値も専門医がいてこその判断基準です。疑問に思うことやお悩みがあれば、どうぞご遠慮なくお聞き下さい。体だけでなく、心が健康であればこその医療だと考えております。
トイレが近く、漏れそうで我慢ができない、夜、何度もトイレに行く
過活動膀胱が疑われます。
おしっこをするときに痛みが走る、膿が出る
尿道炎が疑われます。
おしっこの色や匂いがおかしい(赤い、濃い、臭いなど)
まずは尿検査をしましょう。